セム系の言語では、3文字の子音を並べて基本的な一つの単語が作られる、これを 語根(ルート)という。この語根をベースにしてに接頭、接尾などが付加されて変化 した種々の単語(動詞、名詞、形容詞など)が派生します。 特徴として、3文字の子音の組合わせには限界があります。 例えばヘブライ語では、子音22文字の組み合わせですから 22×22×22=10,648 たった1万しか定義できません。 (実際には辞書に書かれている語根はせいぜい数百程度だと思いますが) このことからも、一般にセム系の単語の語彙は多くないであろうと想像できます。 そもそもセム系の文字は、もっと古代の「くさび型文字」を抽象化したものですが、 すべからく使われる単語(の基本形)を3文字の組合わせで表せばよいのだ、と決めた その古代人の知恵の遺産、それが今もなお存続しているわけだ。
種類 | ||
動詞 | 11 | 助けた、引いた、耕した、屠殺した、聞いた、起きた、 疲れた、座った、知らせた、恐れた、働いた |
名詞 | 7 | ラクダ、雄牛、大地、心、農夫、鋤、言葉 |
前値詞 | 4 | for、in、with、on |
接続詞 | 2 | and、then |
関係詞 | 2 | that、who |
人称代名詞 | 1 | him |
定冠詞 | 1 | the |
be動詞 | 1 | there was |
形容詞 | 0 | − |
副詞 | 0 | − |
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手順3)そのヘブライ語の語根に対応した名詞を探す
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
名詞 | ラクダ | ジャマルン | . |
語根 | . | J+M+L | G+M+L |
名詞 | ラクダ | . | ガマル |
推定:アラビア語の(J)とヘブライ語の(G)は発音上のなまりか
補足:英語で「camel」は語根「G+M+L」が「C+M+L」となまった
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
名詞 | 雄牛 | タブルン | . |
語根 | . | th+W+R | P+W+R |
名詞 | 雄牛 | . | パル |
推定:アラビア語の(th)とヘブライ語の(P)は発音上のなまりか
説明:一般に、ヘブライ語の語根の第2文字が(W)の場合には、
派生の単語で文字が落ちる傾向がある、
単語「(PR)パル」は語根(P+W+R)から派生
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
名詞 | 大地 | アルドゥ | . |
語根 | . | A+R+D | A+R+Z |
名詞 | 大地 | . | エレツ |
推定:アラビア語の(D)とヘブライ語の(Z)は発音上のなまりか
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
名詞 | 心 | ナフシ | . |
語根 | . | N+F+sh | N+F+sh |
名詞 | 心 | . | ネフェシュ |
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
名詞 | 農夫 | ファラーフ | . |
語根 | . | F+L+H | P+L+H |
動詞 | 耕した | . | パラフ |
名詞 | 農夫 | . | ? |
推定:アラビア語の(F)とヘブライ語の(P)は発音上のなまりか
説明:ヘブライ語の動詞「パラフ(耕す)」と対応した名詞が
辞書に見つからなかった、名詞「農夫=ハクライー」は違う語根
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
名詞 | 鋤 | ミフラースン | . |
語根 | . | H+R+th | H+R+sh |
動詞 | 耕した | . | ハラッシュ |
名詞 | 鋤 | . | ? |
推定:アラビア語の(th)とヘブライ語の(sh)は発音上のなまりか
説明:ヘブライ語の動詞「ハラッシュ(耕す)」と対応した名詞が
辞書に見つからなかった、名詞「鋤=マグレファ」は違う語根
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
名詞 | 言葉 | カラーマ | . |
語根 | . | K+L+M | K+L+M |
名詞 | . | . | ? |
説明:この語根に対応したヘブライ語の動詞、名詞が辞書に見つからなかった、 名詞「言葉=ディブレイ」は違う語根
名詞#5「農夫」の語根(F+L+H)と、名詞#6「鋤」の語根(H+R+th) とがどちらも同じ「耕した」という意味の動詞であるのは、単なる偶然だろうか? これは推測ですが、昔、離れた土地の人々の間で誤って「耕した」という言葉が 伝わったとも考えられる。 F ←→ H L ←→ R H ←→ th これは、日本人が苦手な発音の文字と似ていますから。
手順2)そのアラビア語の語根から類似した「ヘブライ語の語根」を探す
手順3)そのヘブライ語の語根に対応した動詞を探す
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
動詞 | 助けた | サーイドゥ | . |
語根 | . | S+Y+D | S+Y+D |
動詞 | 助けた | . | サアド |
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
動詞 | 引いた | ジルリー | . |
語根 | . | J+R+R | G+R+R |
動詞 | 引いた | . | ガラル |
推定:アラビア語の(J)とヘブライ語の(G)は発音上のなまりか
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
動詞 | 耕した | フルタ | . |
語根 | . | H+R+th | H+R+sh |
動詞 | 耕した | . | ハラシュ |
推定:アラビア語の(th)とヘブライ語の(sh)は発音上のなまりか
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
動詞 | 屠殺した | ザバフ | . |
語根 | . | Z+B+H | Z+B+H |
動詞 | 屠殺した | . | ザバフ |
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
動詞 | 聞いた | サミア | . |
語根 | . | sh+M+Y | sh+M+Y |
動詞 | 聞いた | . | シャマア |
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
動詞 | 起きた | カーマ | . |
語根 | . | K+(W)+M | K+W+M |
動詞 | 起きた | . | カム |
説明:一般に、ヘブライ語の語根の第2文字が(W)の場合には、 派生の単語で文字が落ちる傾向がある、 単語「(KM)パル」は語根(K+W+M)から派生
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
動詞 | 疲れた | タイバ | . |
語根 | . | T+Y+B | T+Y+B |
動詞 | 疲れた | . | ? |
説明:この語根に対応したヘブライ語の動詞「ひどく嫌った」はあるが、 意味が異なる、動詞「疲れた=アイェーフ」は違う語根
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
動詞 | 座った | ラカダ | . |
語根 | . | R+Q+D | R+Q+D |
動詞 | 座った | . | ? |
説明:この語根に対応したヘブライ語の動詞「飛び上がった」はあるが、 意味が異なる、動詞「座った=ヤシャブ」は違う語根
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
動詞 | 知らせた | アカバラ | . |
語根 | . | H+B+R | H+B+R |
動詞 | 知らせた | . | ? |
説明:この語根に対応したヘブライ語の動詞「結束した」はあるが、 意味が異なる、動詞「知らせた=ヒギイド」は違う語根
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
動詞 | 恐れた | カーファ | . |
語根 | . | K+W+F | ? |
説明:この語根に対応したヘブライ語は欠番のようです、 動詞「恐れた=パハド」は違う語根
アラビア語 | ヘブライ語 | ||
動詞 | 働いた | アシュタガラ | . |
語根 | . | sh+G+L | ? |
説明:この語根に対応したヘブライ語は欠番のようです、 動詞「働いた=アバド」は違う語根
このテキスト例文について言えば、名詞、動詞の半分以上は語根が一致している。 名詞の語根:7個中の4個が一致(名詞#1〜#4) 動詞の語根:11個中の7個が一致(動詞#1〜#7) つまり、アラビア語とヘブライ語の単語は、その語根(ルート)においてかなりの 類似性があることが分かります。