「雄牛とラクダ」第2回

 単語が、その語根(ルート)において類似性があるか?


  • 語根(ルート)について
  • 例文中の単語の種類
  • 名詞について語根の分析(#1〜#7)
  • 動詞について語根の分析(#1〜#12)
  • まとめ

    語根(ルート)について

     セム系の言語では、3文字の子音を並べて基本的な一つの単語が作られる、これを
    語根(ルート)という。この語根をベースにしてに接頭、接尾などが付加されて変化
    した種々の単語(動詞、名詞、形容詞など)が派生します。
    
     特徴として、3文字の子音の組合わせには限界があります。
    例えばヘブライ語では、子音22文字の組み合わせですから 22×22×22=10,648 
    たった1万しか定義できません。
    (実際には辞書に書かれている語根はせいぜい数百程度だと思いますが)
    このことからも、一般にセム系の単語の語彙は多くないであろうと想像できます。
    
     そもそもセム系の文字は、もっと古代の「くさび型文字」を抽象化したものですが、
    すべからく使われる単語(の基本形)を3文字の組合わせで表せばよいのだ、と決めた
    その古代人の知恵の遺産、それが今もなお存続しているわけだ。
    


    例文中の単語の種類


    名詞について語根の分析


     名詞#1「ラクダ」(例文1、3、5、7、8)  名詞#2「雄牛」(例文1、3、4、6、7)  名詞#3「大地」(例文4、5)  名詞#4「心」(例文7)  名詞#5「農夫」(例文1、6)  名詞#6「鋤(すき)」(例文2、3、5)  名詞#7「言葉」(例文7)

    動詞について語根の分析


     動詞#1「助けた」(例文3)  動詞#2「引いた」(例文3)  動詞#3「耕した」(例文5)  動詞#4「屠殺した」(例文5)  動詞#5「聞いた」(例文7)  動詞#6「起きた」(例文8)  動詞#7「疲れた」(例文4)  動詞#8「座った」(例文4)  動詞#9「知らせた」(例文4)  動詞#10「恐れた」(例文5、7)  動詞#11「働いた」(例文8)


    まとめ
    このテキスト例文について言えば、名詞、動詞の半分以上は語根が一致している。
      名詞の語根:7個中の4個が一致(名詞#1〜#4)
      動詞の語根:11個中の7個が一致(動詞#1〜#7)
    つまり、アラビア語とヘブライ語の単語は、その語根(ルート)においてかなりの
    類似性があることが分かります。
    


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