冒険野郎第四弾

トラック一番星in古座川

1996/11/23〜11/24

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第一日

「釣り人の釣り人による釣り人のための釣りしかないキャンプ」

これが今回の冒険野郎第4弾のコンセプトになったのは、参加者が私と若旦那だけ、となった時点で確定しました。

私の家から230キロのかなたにある、和歌山県古座川町の七川ダムにむけ、西出製茶場所有の1トントラックが出発したのは土曜日の午前0時30分頃でした。

到着したのは午前5時頃。信じられないくらいの星空の下、私達二人だけのキャンプは始まりました。


しばしの仮眠ののち、午前10時頃ボートにて出撃。風一つない鏡のような湖面をむさくるしい男を2人乗せたボートは静かに、静かに進みます。

このあと、7時間ほどの詳細はあまりにも地味なので、結果だけをいうと、

  私:35センチと30センチくらいのブラックバス2匹

若旦那:一回魚をかけるものの、ジャンプで逃げられる。

でした。7時間もボートにほぼ「のりっぱなし」の私達は翌日に期待しつつ、陸地にかえってきました。


さて、ここで今回最大の出来事発生です。テントを張った位置までボートその他を運ぶのが面倒だったので、トラックを上陸地点までもっていこうとしたわたしは、見事に1トントラックを動けなくしてしまいました。

石の上で車輪が空回りし、前にも後ろにも進まなくなったのです。


おまけにトラックのすぐ右側は、湖面まで続く崖。

車輪の下にベニア板をひいたりしましたが、トラックの車輪は空回りするばかりです。そうこうするうちにあたりは真っ暗。あせりが二人を包みます。私は先日免許停止を食らったばっかりなので、

「こんなのも減点の対象になるのかな?」

などと非常に身勝手な心配をしてました。


「もう、だめだ。これ以上やるとタイヤか、エンジンが燃えてしまう!!」

「あしたの朝、パジェロかなにかをまって、助けてもらおうか?」

という相談をしはじめたころ、私達は最後の手段にようやく気付きました。

「押そう!!」

「いや、いくらなんでもむりだろう。トラックだぞ、これは。」

「やってみよう!!」


サイドブレーキをはずし、ギアをニュートラルに入れる。

トラックの前にまわり、二人は押す体制を取りました。

せぇぇぇのっ!....


見事に危機を脱した私達は文明の利器に頼りすぎた生活を反省し、人間の力も捨てたもんじゃない、という勉強をしました。私は個人的に、ラグビーをやっててよかた、多分この日のためにラグビーをしていたんだな、と思いました。


その後、スパゲティー(ペペロンチーノ)だけの夕食を二人でしみじみと食べ、ウィスキーのお湯割と焼酎の熱燗を飲んで、寝ようとしました。そこで、久々に西出さんと学生時代によくやったようなホットな議論になりました。多分40分位はやっていたかもしれません。

議題はずばり、

「寝る時に布団を頭までかぶるのは妥当かどうか。」


延々と続く議論ですが、結局ふたりで合意に達した事は、

「料理長は寝付くのが異常に早い。」

という事だけでした。

(第二日に続く)


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