鑑定機関によって品質の表示が違う場合があると聞いたけど?
大手の鑑定機関に関しては問題となるような違いは見受けられません。
現在、ダイヤモンドの鑑定書に記載されるグレードは、米国宝石学会(G.I.A.)の方式に
準拠した形で行なわれていますが、この鑑定を行なう機関は日本に於いても、A.G.T.や
中央宝研、全宝協といった全国規模のところもあれば従業員1人2人で営業している
ところもあり、多数存在しています。規模の大小と鑑定の技術や能力は直接的には
関係ありませんが、円滑な流通のためには誰もが知っている様な機関の鑑定書が付いて
いることが求められるため、大半のダイヤモンドには全国規模の大手の鑑定機関の
ものや、一部のブランド品にはG.I.A.やラザールキャプランのものが付いています。
G.I.A.の基準があるとはいえ、多数の鑑定機関が安定して同一のグレーディングが
出来るのかというと、これは極めて難しい問題だと言えるでしょう。しかし、業界団体
である宝石鑑別団体協議会(AGL)と(社)日本ジュエリー協会(JJA)が1996年に
カラーマスターストーン認定制度を実施するなど、ユーザーの利益、また業界の
秩序維持、信頼の向上のために活動しています。
ただ、鑑定基準の一つのランクの中にも幅があるため、例えば同じVS1のクラリティー
でも、VVS2に近いものもあれば、VS2に近いものもあるわけです。別のコーナーにも
書いたとおり、4Cの基準だけではダイヤモンドの美しさを決められないのはここにも
理由があります。
カットやポリッシュについても基準を越えた部分での違いがあるため、最近(社)日本
ジュエリー協会から4C以外に美しさを基準に加えようと提案がされています。
極めて微細な、いわゆる重箱の角をつつくような話をすれば、鑑定するのは人間である
鑑定士であり、同じ鑑定機関であっても鑑定士が変わればグレーディングが変わる
可能性もあり、また同一の鑑定士でもその日のコンディションによっては変わる可能性
まで否定は出来ません。
しかし冒頭にも書いたとおりで、大半は大手の鑑定機関の鑑定書が付いていますから、
あまり心配されることはありません。それよりも店が信用出来るかどうかのほうが重要
ではないでしょうか。
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