In 1996,Reports - Around of Japan by bicycle -


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安積疎水


 9月27日。公園で昼食を済ませ、猪苗代湖への道をひたすら進む。湖の近くは周囲の山々と田園風景が折り重なってすばらしい景観だ。湖岸のキャンプ場につくと、暗雲が立ちこめ大粒の雨が降り出した。時季はずれのキャンプ場は誰もいないので、勝手にテントを張って休む。このキャンプ場のわきには天満宮がぽつんとあった。

 日、雨が空気を洗ってくれたおかげで、すばらしい会津磐梯山を拝むことができた。さっそく十六橋へいった。十六個の水門の上に橋が架けられている。猪苗代湖の水を下流の田畑に送るためにつくられた安積疎水の入り口だ。ここからどういうルートで水を引くのか知りたかったが、残念ながらわからなかった。

 輪山を越えて会津盆地へと下りる。喜多方ラーメンを食べて飯盛山へ向かった。ここはあの白虎隊が燃える鶴ヶ城を見て自刃したところ。資料によると、白虎隊は戊辰戦争において、戸の口で戦い猪苗代湖の十六橋を挟んでの攻防に破れ、戸の口堰から安積疎水のトンネルをくぐってここまで戻ってきたという。意外なところで、一つの謎が解けた。


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