仏教:「父母恩重経」を勉強しましょう。

父母のめぐみ(父母恩重経のはなし)
第1回講座かくの如く、われ聞けり '00/5/1
第2回講座人のこの世に生まるるは '00/6/3
第3回講座貧女の如意珠をえたるがごとし '00/7/2
第4回講座ああ、かかる不孝の子を持てる '00/7/22
第5回講座父母に十種の恩徳あり '00/8/12
第6回講座三宝に廻らし施さば '00/9/2
最終回講座おのおの歓喜奉行したりき '00/9/16


読書テキスト
「父母のめぐみ(父母恩重経のはなし)」成田山選書3
発行:1995年(初版1977年)、成田山新勝寺
著者:宮坂宥勝、挿絵:谷内六郎

著者の「あとがき」からの引用

...そうした意味において父母恩重経は一千数百年にわたり、親子像の理想のありかたについて、 一定の指針を与えてきたのである。 ことに近代江戸時代には、 本経にまつわる説話を主体としたいくつかの庶民文学が生まれるほどに読まれてきた。 第二次大戦の敗戦をさかいにして、戦後、既成のモラルは崩壊し、 親子像は大きく変容し、現在なお、新しいモラルは必ずしも確立されていない。 率直にいって、親子像は現代社会の激しい流れの中にあって浮遊しているといえよう。 ...そして、本経はこれからの親子像を探るうえにも、限りない示唆を与えてくれるものと思われる。

本稿は成田山の機関誌「智光」に一年半にわたって連載されたものである。 この間、未知の多くの読者から励ましやら感想をつづった手紙を頂いた。 それらは自分じしんの亡き父母の憶い出と、恩のめぐみのめざめを記したものがほとんどであった。 その反響の大きいのに筆者じしんが驚いたような次第である。

現代社会におけるさくばくとした砂漠のような人間関係を思うにつけても、 せめて「父母恩重経」の教えによって、親子の真実のありかたをさぐり、 新しい親子像のモラルをもとめてゆきたいと思うのである。

著者のまえがき「母をおもう」からの引用

サトー・ハチローの詩集「おかあさん」より

ちちんぷいぷい ごようのおんたからん ちちんぷいぷい ごようのおんたからん
母さんがとなえた おまじないの文句 みみずばれや こぶの痛さが
どうしてそれで引っ込んだのかしら 説明の出来る人なんて  この世の中に 一人もいない 一人もいない

開講にあたって

この春、はじめて成田山を訪れた際、 本堂の中でこの本の表紙の絵がとても印象に残り、買って帰りました。 最初はエッセイだと思って読んでゆきましたが、 実は、分かりやすく仏教の教えを説いた「お経」の解説書だったのです。
われわれが聖書を理解しようと思えば、ちょっとした書店で、 初心者向けの解説書をいくらでも手にすることができます。 しかし仏教の書となると、専門書はあるとしても、 初心者向けの解説書というのを見たことがありません。 この「父母のめぐみ」はまさにそんな探していた本でした。 仏教とは、といった一般論、総論ではありません。 宗派ごとに数ある「お経」の書物の中から、「父母恩重経」だけに絞って、 その経文に沿って、現代のことばで易しくその意味を教えています。
「父母恩重経」が説く内容は、聖書の教えと重なるところが多々あって興味深いです。 これから、みなさまにもそのエッセンスを紹介してゆきます。 なおこの本は、成田山に訪れたときに千円で入手できますよ。

本コーナー(父母恩重経)は、2000年に作成。その後 閉店し、2004年に再度 掲載したものです。


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