「さて。関ヶ原越えか。とりあえずチェーンがないとだめだろうな・・・。」
料理長がそう思うまでもなく、R21の道路情報には「関ヶ原付近チェーン規制」としっかり載っていたのである。
とりあえず料理長は最初のコンビニの駐車場に立ち寄り、そこでチェーンを取り付けることにした。
一昨年の年末。料理長は帰省途中の名阪国道で不意の大雪に見舞われ、難儀な思いをしたことがあったが、その時も幸か不幸かチェーンを持参していた。たまたま前日に独身寮の隣りの人から自分の車のサイズを変えたので前のチェーンは不要になったのでくれたのだ。
みるみるうちに雪が積もるなか、出番とばかりにチェーンを取り付けようとしたが、なんと料理長の車のサイズにも合わないではないか!!
結局、チェーン取り付けは断念し、トロトロと時速10kmほどで12時間かけてわずか30kmの距離を通ったことがあった。
しかし!!今回は今し方GSの兄ちゃんにタイヤのサイズを確認してもらって購入したものである。さっそくの出番だ。それまでまともに取りつけたことのなかったので不安ではあったが、やるしかない。買ったばかりの新品のチェーンを取り出し、装着し始めた・・・。
・・・一時間後。そこには、全身に雪を積もらせ、説明書もチェーンの箱もすべて雪の下にうずもらせながらも、タイヤにチェーンを装着し終えた料理長の姿があった。
「・・・やっと、やっと終わったか。」
まさに悪戦苦闘であった。しかも、一昨年を思い出すがごとく、チェーンを装着し始めるとともに、雪が本降りになってきた。見る見るうちに周りが雪でうもってゆく。
説明書をみながらの装着であったが、説明書もすぐに雪でうもれてべちゃべちゃになってしまった。
・・・でも、装着は完了した!!
午前四時。チェーン装着を終えた料理長は一路神田PAをめざし車を走らせた。
時速50kmまではオッケーと説明書に書いていたな。少し走ってみてチェーンがしっかりと装着されているか確認した後、関ケ原へ向けて出発したのであった。
結論からいうと、特に関ヶ原はたいした問題もなく通過することができた。横を走る名神高速もノロノロ運転が続いている。もちろん、問題なく通過できたのはチェーンのおかげである。
とてもではないが、あの路面凍結して雪の積もった坂を上って下ることはできなかったであろう。ま、2万円の出費は痛いが、車を失うよりはよっぽどましである。
米原JCTに入るとそこは一面雪景色である。これはさすがにチェーンを装着しなければ、通行は不可能であろう。
すでにチェーンを装着している料理長はそのまま料金所を通過して、すぐ先にある神田PAを目指した。
神田PA到着午前5時45分。出発から6時間45分が経過していた。
さて、隊長は・・・・?スキー客でごった返すPAの中を捜してみたが白のカローラは見当たらない。携帯を持っているはずのもう一人のメンバー、「団長」に電話をかけてみたが、通話不能ということで連絡がつかない。
「しょうがない。まさか私が先に着くとは思わなかったが、彼らが来るまで待つしかないか・・。」
スキー客の楽しそうな喧燥を離れて、料理長は愛車の中でラジオに耳をかたむけていた。
ポッポッポッポーン。午前6時の時報がなる。その時、私の車の右側にカローラが滑り込んできた。あいかわらずのへこんだ車体。隊長だ!!目と目が合う。
「おぉぉぉぉぉぉ!!!!!」「くっくっくっくくわっはっはっはっはぁ〜」
久しぶりの再会。再会するまでのいろいろな困難を考えると、笑いが込み上げてくる。
「おいおいおいおい、マジかぁ〜??ちょっと今回は洒落になってへんぞぉ〜。」
「ここに来るまでで、どんだけネタになるか!!」
「どわっはっはっはっはっはぁ〜・・・・。」
笑いながら抱き着く3人の姿が神田PAのスキー客の中でひときわ目立っていたのだった・・。
そして、隊長が言った。
「これから、寒い、冷たい、痛いは当たり前やぁ〜。絶対に口にだすなよ!!!」
#ようやく再会できた冒険野郎メンバー!!
#隊長、団長、ここにはいないがその日の晩に合流した若旦那、そして料理長の冒険野郎が勢揃い!!
#さぁ、目指すは冒険野郎オフィシャルテントサイトのある、湖北の今津浜だぁぁぁあ!!
#この時点ではハイ状態であった冒険野郎もすぐ後に現実に直面する厳しい環境条件!!
#果たして冒険野郎はこの企画を乗り切ることができるのだろうかぁぁぁぁ!!!!!
#次回、「ブリザードロケーション」 お楽しみにぃ〜!!