冒険野郎第五弾

耐寒キャンプin今津浜

1997/2/22〜2/24

第八話「団長の機転。隊長の決断」

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・・・何時の間に寝てしまったのか。ふと、目が覚めると時計は11時48分をさしていた。

「おっとっとぉ。いつの間にやら眠ってもうたみたいや。隊長は???」

後ろに止まっている隊長の車を見ると、すでに隊長と団長は起きており、私を呼んでいる。

「料理長!ここは断念する。団長が電話しまくってこっから南に10kmほど行ったところにバンガローがあるらしいんで、そこに泊まることにしたよ。」

「!!!!!!」


外は相変わらずの暴風雪である。確かにこのサイトでテントを張るというのは無謀も極まりないであろう。しかし!!バンガローで宿泊するとは・・・。冒険野郎とて、

本当にこのままでいいのだろうか?

私は非常に悩んだ。確かに、寒い、冷たい、痛い!の連続である。正直、このままでは生死の境をさ迷うことになるかもしれない。団長の現実的な対応とはいえ、何かや

るせないものを感じていた・・・。


そのまま、我々は隊長の車を先導して南へと下っていった。相変わらず雪は風とともに舞っている。道も雪で埋もれており、チェーンなしではとてもじゃないが進めない

「それにしても、こんな時期にバンガローなんてよく空いていたな・・・」


団長によると、持参したキャンプガイドの滋賀県のページを片っ端から電話していったそうだ。十数件後、通年営業しているキャンプ場と巡り合えたのである。

探すほうも探すほうなら、やってる方もやってる方だな・・・。内心、あきれながらも隊長の車の後を追いかけていく。


キャンプ場に到着した。かなり曲がりくねった道を進んだ後、それらしき場所に着いたのであるが、空いている気配がない・・・。

団長が携帯を取り出し、もう一度確認の電話をする。

・・・今、キャンプ場に向かっているそうだ。


バンガローに案内され、一泊二日15000円(バンガロー一棟貸し切り料金)を支払った。

布団も毛布も石油ストーブも装備されていた。

何はともあれ、今日の宿は確保した。まさか、バンガローに泊まることになるとは思いもしなかったが・・・。


それにしても寒い。ストーブを付けたが全然あったまらない。

しかし、昨夜からほとんど何も食していない我々にもさすがに空腹が襲ってきた。

「料理長!なんか食べようよ〜!!」


・・・ということで、私の出番である。

とりあえず、お昼は簡単におなかのいっぱいになるものがよかろう。

ということで、冒険野郎名物「ペペロンチーネ」である。中身は簡単。スパゲッティーとオリーブオイル、にんにく、鷹の爪だけで食べる実にシンプルなパスタである。しかし、シンプルなだけに全然飽きが来ず、何度でも食べられるのだ!

今回はちょっとアレンジしてベーコンとオイルサーディンを加えた。

そして、スパゲッティーはボリュームの1kg!!


「料理長!!誰がそんなに食べんねん!!俺、減量中なんやぞ!!」

隊長の言葉には聞く耳もたず、団長と一緒にパスタ1kgを一気に茹でる。

こうなりゃ、隊長もやけくそだ。その他のいためる材料を用意し、スパゲッティーが茹で上がるのを待つや否や、鉄板をだし、その上でスパゲッティーをいためる。

1kgのスパゲッティーである。一度に料理できるわけもなく、4度にわけていためあげた。

それにしてもうまい!!胡椒が利いて、にんにくが食欲をそそる。今までが結構悲惨だったから、よけいにうまい!!


こうしてボリュームの昼食を終えた冒険野郎はしばらく休息である。

・・・しかし、料理長は今晩の夕食であるビーフシチューの仕込みである。6時間煮込むとして、いまからやっても晩飯は21時か。


こうして冒険野郎耐寒キャンプ(?)の初日は過ぎていくのであった。

・・・しかし、最後の最後に、さすがは隊長である。ただでは済まさない。

この後、隊長と料理長は決死の体験をすることとなる。決死の体験とは・・・??

つづく


#団長と隊長の現実対応により凍死という最悪の展開を脱出した冒険野郎!

#しかし、バンガローなんかに泊まってちゃ、冒険野郎の名がすたるぞぉ〜!!

#・・・と思った矢先、隊長があっかるく、しかし、一つの決意を持って宣言したのだった。

#「さぁ〜って、料理長!!バンガローも確保できたことだし、テント張ろうか!」

#次回、冒険野郎第九話!!「コールドスリープ」 お楽しみにぃ〜!!

#でも、その前に、女風呂に入るというハプニングがありました!!!


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