冒険野郎第一弾

二川ダム激流川下り

1996/6/21〜6/22

第五話「運命の前日」

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若旦那の生涯初ヒットのあと、なんとこの私にも当たりがやってきた。

ルアーを目標ポイントに落とし、自分の近くまで引き寄せる。・・・と、その時、ルアーに何か手応えがあったのである。


「あ!な、なんか当たりがある。」

「マスオさん!すぐに合わさんと!!」


一郎の声に、サッと竿を立て、あわせたのだが、すぐに当たりがどっかに行ってしまった・・・。

「あぁ〜・・・・」

あれが、当たりがあるということなのかと身を持って知ることができたが、いきなりでは対応ができなかったのが痛いところである。

「その調子でどんどん投げてください。投げれば投げるほどチャンスが生まれるんです。」

一郎の言葉に応えてどんどんポイントを見つけては投げ入れた。


・・・日が昇るにつれてそれまでやんでいた雨が再び降り出した。

しかし、そのまま釣りは続行である。こういう天気の方がバスはよく食うらしい。

コンディションは絶好とのことである。


シトシトと降る雨の中、その後一郎の奥さん、続いて一郎とバスをキャッチできた。

さすがは一郎夫妻。日ごろからバスフィッシングに出かけているため手慣れたものである。その後、何度か当たりはあったものの釣り上げることはできなかっが・・・。


午前9時。

雨も本降りになってきたのでとりあえずあがることにした。

元に来た地点に戻り、撤収を開始する。ボートの空気を抜き、車に積み込む。


我々は二川ダムを後にし、野営地であるキャンプサイトに向かった。

それは、二川ダムの上流、有田川上流の河原のサイトであった。清水村営キャンプ場とある。

入場料を払った後、サッと設営に入り、われわれは遅い朝食を摂ることにした。


朝食は・・・・、いきなり焼き肉であった。

それにしてもなんで朝っぱらから焼き肉なんか食わんとあかんのか?とは思いつつも昼食兼務とわりきって食をすすめた。

・・・しかし、その時、後の料理長となる私の源ともいうべき出来事があった。


・・・とはいっても、別に特別なことがあったわけではない。

焼き肉に振り掛ける塩胡椒の手つきが非常に通であるという皆の意見であった。

ある程度の高さから小刻みなリズムで塩胡椒の瓶を振るのだが、それが実に料理人みたいだというのである。なんかそれだけで気に入られて、それ以来、私は料理に口をはさむことになる。


・・・とまぁ、それはともかく、その後は皆それまで徹夜だったので速攻で眠りに落ちた。夕方に再度釣りに行くまでのつかの間の休息であった。


夕方の釣りは特に収穫がなく、日没まで釣りをした後、近くの温泉に行き、遅い夕食を取って翌日早朝の釣りに備える。その日は12時前には眠りについた。


・・・そして、運命の日。

そう、冒険野郎結成のきっかけともなる、激流川下り決行の日である。

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