宮崎県川南町に国指定天然記念物に選定されている「川南湿原植物群落」があります.
その貴重な植物群落を育む気候特性や,水環境特性についての調査・保全活動を行っています.
川南湿原は宮崎県川南町のほぼ中央部にあり,国道10号線からほど近くにある,標高は50~53m,面積約3.1haのごく小さな湿原です.
川南湿原は一部低層湿原となっているが,大部分を中間湿原としています.またその土壌は泥炭で構成されています(川南町教育委員会,1999).
湿原の西側には,湧出水が溜まったため池があります.
標高が最も高い北側から南に向かって徐々に標高が下がっていて,南端を水路が通っています.湿原の北側は,周りに比べると丘になっていて,風通しもよく比較的乾燥しています. 図中の①地点付近は,水が湧き出ているため湛水していて,特に地下水位が高い場所になっています.この場所は,希少な湿原植物を比較的多く見ることができます.図中の②地点は,①地点から湧き出た水が小川をなして流下しています.地下水位は高くないのですが,良く湿っていて,ここでも希少な湿原植物は確認することができます.図中の③地点も,地下水が低いのですが,ここも比較的湿っていて,数は少ないですが希少な湿原植物を確認することができます.
調査研究の過程で思ったことを綴った文章が,フォトメッセージマガジン:日向時間の2006年秋号に掲載されたました.
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この調査研究は,川南町教育委員会生涯学習課,川南湿原を守る会の協力により行われています.